やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE3 前代未聞のレース中止打ち切り事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

 

 

【FILE3 前代未聞のレース中止打ち切り事件】

ボートレースは基本1節3~7日間(通常4~6日間)を一つのシリーズとして開催されます。たとえ欠場が発生しても、5艇、4艇となっても最後までレースは続けられます。レースを楽しむファンも「◯日目の◯レースに注目しよう」「◯レースはこの買い方で決まりだな」等事前に予想する方も多いと思います。

しかし2018年3月、ボートレースファンに衝撃のニュースが流れてきました。

 

『児島、レース開催困難のため中止』

 

え、中止? 初報を聞いたファンはそう思いました。6日間開催予定のレースが3日で途中打ち切り終了だなんて聞いたことがなかったからです。

ここまで突然な打ち切りは週刊少年誌でもそうはありません。ボートレースに馴染みのない方のために他の例で説明すると、野球の5回裏やサッカーのハーフタイムで突然試合終了宣言、ケンシロウがサウザーの身体の謎を探っている最中に連載終了、湯婆婆のところに行く途中にエンディングが流れ出す千と千尋の神隠しのようなものです、

え、どうしたの? なんで?

かつてない出来事に困惑し、心配の声をあげるファン。そして中止の原因が説明されました。

 

『体調不良の選手が複数出たため』

 

確かに選手も人間なので体調不良で欠場することもあるでしょう。……え、でもレース続行不可能なほどみんな体調不良とかあり得るの? 風邪が流行したとしても、中止になるほど全員一斉に発症することはかなり稀なのでは?

ねぇ嘘だと言ってよ、次のレース予想めちゃめちゃ自信あったんだからぁ(懇願)

 

■嘘じゃないです中止です

その答えはボートレーサー生活の仕組みにありました。

ボートレースにおいて出場選手は、レース期間が開始されると公平性を保つために外部との接触は制限され、そして生活の殆どをレース場及び併設された宿舎で過ごします。

規律正しい生活を送ると言われているボートレーサー達は文字通り寝食を共にするわけであり、もしかしたら消灯時間を過ぎても枕を並べてパジャマパーティ、クラスの気になるコの話なんかをしているかもしれません、あ、無いですかそうですねそう思ってました。

まぁそれは置いておくとして、就寝のみではなく食事も食堂で同じメニューを食べます。残したら食べ終わるまで残されて先生とマンツーマン、おいみんなドッジボールしようぜというタケシくんを涙で見送らなくてはいけないかもしれません。いやそんなことないか、小学校かよ誰だタケシくんって。まぁ嫌いなおかずが出たりしたら後輩に食べさせるくらいはしているかもしれませんが。

 

どうでもいい脱線が連続しましたが、食事と聞いてピンと来た方もいるかもしれません、そう、原因は食中毒でした。

 

■いけないスプラッシュにご用心

発表によると選手全員ではないものの、多くの選手が宿舎で出された食事が原因とみられる食中毒症状が出てしまったとのことでした。

実際には選手たちも全員症状が出ているわけではないとのことでしたが、仮に強行した場合でも出場艇が3艇だけのレースなんかが開催されてしまったら、もうオッズから何から滅茶苦茶になりそうですしね、当てても1.0倍とかありそう。

もしかしたらファンの中にはそれでも出場できる選手だけでも集めてレースをしてほしいと考えるかもしれません。しかしよく考えていただきたい、仮に自分がボートレーサーだったらと。自分は軽い症状だったとはいえ食中毒が蔓延しいつ襲い来るかわからない、下痢症状を心配しながらの環境でレースに集中できるでしょうか。あらちょっともよおしてきたなと思ったところで高速で旋回するボートの上です、下手をするとターン中に出てはいけないスプラッシュが炸裂してしまう危険性が大です。水上でなかったとしてもカポック(レーサーが身に着けている救命胴衣)等を装備した状態では思うように動くことができず、トイレに駆け込む前にいけないスプラッシュです。

 

この事件の後に日本モーターボート競走会広報課は「近年、インフルエンザでも中止打ち切りなどはなく、このような事例は記憶にない」とのコメント。身体を鍛えインフルエンザにも耐えたボートレーサーも食中毒にはかなわなかったようです。

 

もちろんこの事件は故意に発生したものではなく、事故に近いものだと思います。食品管理を徹底して再発防止に努めていただければと思いますし、選手達もボートの知識や技術のみならず、食事をはじめとする体調管理を改めて見直す機会となったとも考えられます。

 

気温が高まるこの季節、みなさんも食品管理にはお気を付けください。ちなみに私はあやしい状態の食品に対し「……イケんじゃね?」と余計なチャレンジ精神を発揮して後悔することがよくあります、スプラッシュします。

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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