やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE6 勝負は終わって無いぜ!! 落水復帰事件

連載
やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE6 勝負は終わって無いぜ!! 落水復帰事件】

乗り物を用いておこなわれるレース競技は原則的にその乗り物から転落すると失格となります。落馬、落車、といったメジャーなものから、海外のお祭りで行われている妻が夫に乗って競争するレースでは落妻なんてものもあるらしいです。

言わずもがなボートレースは水上の競技、アクシデントで選手が水面に落ちてしまうことがあり、それは3つに分類することができます。

 

■転覆
ボートがひっくり返ってしまうこと。
■落水
ボートからレーサーだけが水面の中に投げ出されること。
■沈没
ボートが沈んでしまうこと。他の艇とぶつかってボートに穴が開くとこうなる。これは待機行動時に起こることもある。

(BOAT RACE GUIDE より)

 

他の競技と同じく選手がレース中水面に落ちてしまうと失格となります。理由はいくつかあると思われますが、まずは当該選手の安全確保のため、そして復帰を図ると周回してくる他艇に影響してしまうことが考えられます。さらにボートレースのルールとして1着がゴールしてから30秒以内にゴールしないと不完走失格になるというものがあるため、なんとかレースに復帰できたとしても完走できる望みが薄いということも理由でしょう。そのため落水や転覆が起きたら即座に救助艇が駆けつける仕組みになっており、レース終了前でも失格判定が出ます。

そのためレースを見守るファンも選手が水面に落ちた時点で「あっ、失格か」と思うのがごく普通の感覚なのですが、水面に落ちてもそこからレースに復帰し、そればかりか失格にならず完走を遂げた選手がいたのです。

 

■まだまだァ!! スピード復帰でレース継続

それは2011年 8月15日江戸川2Rの出来事。

荒れ気味だった水面の影響を受けてか先頭の1号艇が2マーク直前に大きくバウンド、ボート上から選手の姿が消える。

「落水か!?」と思われた直後飛沫をあげながら水面からボート上に復帰。失格判定を出される間もなく水面を疾走し2着でのゴール。

落水していたのは時間にして数秒、見る限り身体の大部分が水につかっていたが、ハンドルを離さなかったため素早く復帰できたと考えられる。

 

落水から失格無しに復帰し、そのままゴールしています。

この流れ、漫画みたいですよね。戦線離脱かと思わせての復活はかなりドラマチック。私がライバル艇選手なら「へっ、アイツ落水しやがっ……なにィ!?」みたいなキャプテン翼キャラばりのリアクションしそうです。

落水失格の判定がどの段階・基準でなされるのかは不明ですが、実際のところかなり復帰が早かったので判断が難しかったと思いますし、他艇に遅れるどころかトップで進行を続けられたことで問題なしとされたのでしょう。失格してそうで失格してない少し落水したボートです、なんかラー油みたいですね。

 

繰り返しますがこういったことが起こるのはレアケース、前述の通り通常ならば落水段階で失格濃厚、ボートを動かせる状態まで復帰できたところで完走は困難です。

 

ましてや完全にボートから離れ、全身が水に浸かったりなんかしたら……

 

???「まだまだぁ!!」

!?

 

■終わっちゃいねぇ!! 再乗復帰発進!!

それは2017年9月11日住之江10Rの出来事。

一斉に1マークに差し掛かったところ3号艇が大きくハネて転覆、ボートが覆いかぶさるようなかたちで巻き込まれた2号艇の選手も水面に投げ出されてしまう。

客席からは悲鳴があがり、すぐさま救助艇が発進。浮かんできた選手達もそれぞれのボート縁につかまるかたちで救助を待つ。

と思いきや2号艇選手がボートによじ登り再始動、救助艇の横を抜けて1マークを周りレース復帰を果たす。

レースは2号艇が5着、3号艇はs1(選手責任の失格)となった。

 

これの何がすごいかと言うと完全に落水した状態からの復帰完走ということです。先述した江戸川のケースはかなり復帰が早く、巻き上がった飛沫もおさまる前、先頭をキープした状態で復帰していたのでセーフという判断も理解できます。しかしこれはボートが無人状態のまま10秒以上が経過しており落水状態は誰の目にも明らか、救助艇スタッフも「なにィ!?」みたいな驚いたリアクションをしてました。

 

実は落水からボート上に復帰して再始動する例は稀に存在します、安全性の観点からもそのまま水面に漂っているより復帰した方が良いという判断ができるでしょう。しかしその場合も多くはその時点で落水失格、3周したところで失格という判定は覆りません。

 

2号艇が完走を遂げた理由として考えられるのは、おそらく3号艇に巻き込まれたという部分が影響しているのしょう。落ち度も無いし、完走を目指すなら認めようという判断が成されたのではないでしょうか、仮に2号艇がそのまま動けなくてもs0(選手責任外の失格)になっていた可能性が高いと思います

 

 

何事も最後まであきらめてはいけない、選手を見守る私もその意識を大切にしようと思います。

今握りしめているハズレ舟券もなんか復活演出みたいなのが起きて万舟になる可能性が……ありませんかそうですか、なにィ!?

著者プロフィール画像
岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

人気記事

めおと舟 その45『第一回!チキチキ!全レースぶち込み対決! 中編』

イン屋VSアウト屋!世紀の対決の結果は如何に...

年間収支大公開! 今年の振り返りと来年の抱負を。

やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE46 報復!? ダンプ応酬事件

女子レーサーのトップオブトップ。大山千広選手激推し!

TERU #11