やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE8 跳ぶ!!潜る!! 嵐の水上レース事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

 

【FILE8 跳ぶ!!潜る!! 嵐の水上レース事件】

 

ご存じのようにボートレースは天候や水面の影響を受けるレースではありますが、原則的には雨天決行。もともと水を被ることはごく当たり前の環境であり、ターン中の攻防の結果ずぶ濡れになる選手もいますね。

 

しかしレース中止理由で最も多いのも「荒天」です。多少濡れるのは平気とはいえ、猛烈な雨によって視界が遮られたり、強風によってボート操作が不可能になったりするとレースとしては成立しなくなりますし、なにより選手や観客の安全を守ることが優先されます。

ただしどの程度から「荒天」とするかの明確な基準は存在せず、あくまで主催判断となります。できる限りレースを開催したいというのが主催側の本音でしょうし、ファン心理であるかもしれません。私も危険な行為をしろと言うつもりはありませんが、荒れ狂う波の中かっとんでくるボートなんて画的には格好いいと思います。

 

荒れ模様ではあるものの中止するほどでもない、という微妙な天候のなか開催されたレースも存在します。タイトロープダンサーのようにギリギリを攻めるこういったレースは荒れやすいと言われており、事実転覆や落水といったアクシデントが発生することも珍しくありません。

▲落雷の危険がある場合は間違いなく中止されます

 

今回はそんな荒天アクシデントから、特に珍しい挙動だと思われる2つの事件をご紹介しましょう。

 

■スタート直後のアクションフライト

2008年2月24日平和島1R

このレースはとにかく風が強く、待機行動中にも波の影響でのボートがぐわんぐわんと揺れ動き制御に苦心する様子が見てとれます。進入は珍しく外側から2号艇、1号艇がつけてダッシュ勢(※アウトコース後方に位置どるボートのこと)を狙うかたち、これは強い向かい風という環境を考慮して加速をつけやすいダッシュを選択したのだと思われます。

そして大時計が動き、強風に負けじとぐんぐん加速をつける2号艇が、2号艇が……飛んだ!?

 

加速しはじめてほんの数秒、飛行機のテイクオフシーンのようにフワッと浮き上がった2号艇はそのまま羽が生えて空中航行、というわけにもいかず半回転の宙返りをみせて転覆、まだスタートすら切ってません。

へぇ、ボートって飛べるんだと一瞬思わせるような綺麗なフライトでした、これが本当のフライングですね、やかましいわ。

 

実際強風時にこうしたかたちで転覆するケースは他にもあります、波を越えてバウンドする艇は風にあおられると簡単にひっくり返ってしまうんですよね、ただまっすぐ進んでるだけで転覆してしまうというのは怖い。それらをいかに制御するのかも選手の腕の見せ所かもしれませんが、やっぱり水面が荒れているとみている側もちょっとヒヤヒヤします。

 

 

■ゴール目前急速潜航

2018年9月4日江戸川6R

雨模様で風の強い日でしたが、選手達も巧みにボートを操り最終ターンも無事に周ります。先頭2号艇を追う3号艇、それに続く4号艇がそれぞれ4~5艇身ほど距離をとりながらゴールを目指す。

もうこのかたちになれば順位の変動はまず起こりません。ファンも見守る中先頭2号艇がゴール、そして3号艇が、3号艇が……消えた!?

 

水面には飛沫だけが残り忽然と姿を消してしまいました。えっ、なにこれ、忍法?

 

3号艇は飛沫が消えるタイミングで水面に浮上してきました、どうやら激しい波の影響で船首を水面につっこんでしまったようです、忍法ではありませんでした。エポック社製野球盤の「消える魔球」のような軌道で水中に吸い込まれていった3号艇、一瞬の出来事だったため、選手からすると気づいたら水中にいた状態なのではないでしょうか。

 

観客の一部から怒号が飛びます。まぁゴールまで数メートルのところで転覆されると気持ちはわからないでもありませんが、多分選手の方がもっと悔しいし怖かったと思います。もし私が気づいたら水中にいるなんて事態になったら確実に漏らします。

 

 

 

ボートレースはコースの作りが頻繁に変わることはありませんが、天候に加えて波の影響があるので、考えようによってはこうした荒れ模様の環境はアクション性の高い特別コースだと思って楽しめるかもしれませんね。荒天に強い選手もいたりするので、そうした観点を持てば万舟連発も夢ではないかもしれませんよ。

私の場合は当たったと思った舟券がゴール前で突然転覆したら、その時も漏らすと思います。誤魔化すために雨の屋外席にも飛び出しかねません。

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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