やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE9 闘いは既に始まっている!! 待機行動沈没事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE9 闘いは既に始まっている!! 待機行動沈没事件】

ボートレースで特徴的な要素として存在する待機行動。これはボートレースの特徴的な要素であり、初心者にとってはちょっとわかりづらい壁になっていたりもします。

一斉にピットを出てからさらに整列し直す、時折ボートの番号順ではない並びになる、スタートに近い位置にボートを進める選手もいればめちゃくちゃ後方に位置どる選手もいる。選手たちはかなり自由に行動しているようにも見えますし、たしかによくわからなくなる部分も多いと思います。

 

当然ながら待機行動にもルールは存在しており、やってはいけない行動をした選手には減点処分が下されます。

ピット離れからスタートを切るまでがいわゆる『待機行動時間』とされますが、そのなかで次のような行動をとると待機行動違反となります。

 

  1. 【追突等】失速や追突で他艇に支障を生じさせる。
  2. 【適正な間隔】インに入ろうとする艇が、2マークとの間隔を空け過ぎる。2~5コースに入る艇が、隣接する内艇との間隔を空け過ぎる。
  3. 【転舵】接近している他艇に向けて転舵し、他艇の進路に支障を生じさせる。
  4. 【右転舵】低速航走中に右転舵する。
  5. 【ターンマーク等への接触】2Mやネトロンに接触することにより進入が深くなるのを避ける。
  6. 【モーター停止】故意にエンストさせ進入が深くなるのを避ける。
  7. 【割り込み】他艇が150メートル見透し線(150メートル標識板と2Mを結ぶ線)に達した後に内側に進入する。
  8. 【逆航走】ボートの先端をスタートラインに向けた後に、再度スタートラインと反対方向に航走する。

 

要する自分を有利にするためにフェアではない手段をとってはいけないということですね。

 

しかしそこは順位を争うボートレース、待機行動中にも様々なアクシデントが起こるのです。なお今回は該当ケースが複数存在するため特定のレース指定はしません。

 

待機行動中に沈みゆくボート

レースの準備段階とも言える待機行動ですが、スタート前にボートが転覆するケースが稀に存在します。前述の待機行動違反に当てはめると【追突等】【転舵】【ターンマーク等への接触】と併発することもありますが、番号の大きい艇が前づけしてくる時等の枠争い時に起こりやすい事件です。

各艇一斉にピットを離れ、旋回する時にはもう2艇くらいひっくり返ってることもありますし、波にのまれてよろよろとターンマークにぶつかったりネトロンに乗り上げたり、船底に穴でも開いたのか時計を待ってる間に静かに沈んでいく艇があったりもします。最後の例は選手もジタバタしても仕方ないと観念するからか、ひとし君人形のボッシュートのように沈んでいく様子はちょっとシュールな光景にも見えます。

 

▲ボートレースには「転覆」「落水」の他「沈没」も存在します

 

数回程度でもボートレースを観戦するとわかりますが、原則的には番号が若い艇から順にインコースに入っていきます。そして選手達も暗黙の了解的にコース争いをしない、展示順になることも多いのが昨今のボートレース。

ただそれはあくまで原則であり、猛烈に激しく争う時もあります。一応ことわっておきますがコース争いをすること自体は待機行動違反ではありません。

ここ一番の絶対に譲れないレースだったのか、選手間の意地の張り合いがあるのか、事情は様々だと思いますがピット離れからグイグイとインに差し込んで前づけする6号艇や、他艇を入れまじと船首を当てに行く1号艇が見られたりします。一体何が彼らをそうさせたのか、それはボートレースが勝負の世界だからでしょう、待機行動からがボートレースであり、ビジネスは情報戦からであり、家に帰るまでが遠足なのです。

 

メンタルスポーツ・ボートレース

舟券を買ったりレースを楽しむ観客の立場からすると意識する人も少ないのですが、実は待機行動違反をしても失格にはなりません。もちろん転覆したりするとレース続行は不可能になる場合がほとんどですが、あくまで減点のみという点もあって選手たちはコースどりの駆け引きをおこなうこともあるかもしれません。

しかし私は待機行動中のコース争いをみていると、点数以上に心理的な消耗が激しい気がしてなりません。

お世話になったベテラン選手や怖い先輩選手が前づけしてきた場合、ブロックにいけるかと考えると心理的には絶対しんどいと思うんですよね。そういう世界に入ったんだという選手間では慣れたり当然の駆け引きだと考えたりしている選手もいるかもしれませんが、何らかの忖度が働いても全く不思議ではないと思います。

私はナイーブなので、もし1号艇に乗っていてコースを死守した時に隣の先輩選手から舌打ちでも聞こえようものならストレスで胃に穴が開くかもしれませんし、その場で吐いてしまうかもしれません。吐いた場合なんてメット状態だったら地獄絵図で、ゲロまみれになりながら泣き叫んで落水する珍事が起こって悪質な待機行動違反と判断されて即日帰郷になる可能性すらあります。

 

そんな勝負の世界に今日も生きているボートレーサー達は本当にたくましいと思います、「技」「体」そして「心」も一流ということでしょう。もしかしたら胃に穴くらいは開いてるかもしれませんが。

 

著者プロフィール画像
岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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