やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE13 全艇非常識なフライング事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE13 全艇非常識なフライング事件】

2018年2月5日 宮島 9R 出場全艇が非常識なフライングとなりレース中止となる事件が起こりました。比較的最近の出来事であり、web媒体のニュース等でも取り上げられたのでご存じの方も多いでしょう。

しかしこのニュース、私のようなボートレース初心者にとっては全艇フライングという珍事もさることながら、“非常識なフライング”とは何ぞやという部分の方が気になったのではないでしょうか。

スポーツにおける反則行為、例えばバスケットボールなんかは「トラベリング」や「プッシング」という反則が存在しますが、「非常識なトラベリング」や「正気を疑うプッシング」の存在は聞いたことがありません。しかし「ごういんなドリブル」は惜しいところな気もします、私が知らないだけで「空気の読めないチャージング」とか「反吐が出そうなミーティング」なんかが存在するのでしょうか。日本では数年前に「悪質タックル」が確実に存在しましたし。

 

■非常識なフライングとは

 

2013年11月から強化されたフライング罰則。0.05秒以上早いタイミングでフライングをした場合非常識なフライングとして1回で即日帰郷となるよう罰則が強化された。

 

ということらしいですね。「ごういんなドリブル」も「恥知らずのパープルヘイズ」も関係ありませんでした、うばしゃあ。

フライング罰則が強化された理由には様々な要因がありそうですが、総じてフライングはレースを壊してしまうからと言えるでしょう。前述した宮島のケースだと最も速かった6号艇は+0.19秒のフライングですが、このスタートは明らかに速すぎます。他のフライングケースの多くが+0.01~+0.04秒あたりなので明らかに出過ぎているのです。

ここからは想像も交えて書きますが、突出したスタートを仕掛ける選手がいた場合、他の選手はどう判断するでしょうか。「オイオイオイ」「出過ぎだわアイツ」と思っていても、突出した艇に遅れまいとするのではないでしょうか。そして突出した艇に基準を合わせ、「半艇身程度遅らせればフライングは無い」くらいの思考になってしまうのではないでしょうか。そうすると結果的に超大幅フライング艇と大幅フライング艇が誕生してしまう、悲しみの連鎖です。

 

▲たいしたものですねと言われるかは不明

 

もちろん本来は選手がそれぞれのペースを守れば良い話ではあるのですが、高速で展開するスタートの駆け引きでは非常識なフライングにもつい釣られてしまう、それほど影響力が高いという事でしょう。

影響力と言えば思い出すのが、私が小学生時代に盆踊り大会に参加した時のことです。盆踊りが好きなら誰でもOKというなごやかムードの中、オーソドックスな踊りが披露されていきました。しかし大会終盤突如サンバカーニバル軍団が登場、ビキニの女性に挟まれた会長が「サンバもいいな、むしろサンバでよし!!」とか言って出場者を冷めさせましたが、結局ビキニの魔力に負けたおじさん達全員が「サンバでよし!!」とか言い出して副会長の婆さんが「ふざけんじゃねえ畜生め」とマジギレしたという微笑ましいエピソードを思い出しました。いやぁ、流されたり釣られたりというのは本当に危険ですね。

 

そもそもフライングというのは該当選手が失格となってはいオシマイではなく、舟券を購入していた人への返金があるのでレース主催側としても大変な損害であり、多くの人が集まるSGなんかだとフライングでの返還額が1億円を超えることもあります。

さらには的中していた舟券がフライングによるオッズ変更で倍率が下がったり、F欠場選手が出るとその後のレース運営に支障をきたす場合もあります。いずれにしてもフライングというのは誰にとっても起きてほしくないものなのです。

 

■常識的なファンになりましょう

実は全艇がフライングしてしまうという事件は過去にも起こっています。

レースを楽しみにしてきたファンからすると、フライングでの中止が残念だという気持ちはわかりますし、ヤジの一つでも飛ばしたくなるかもしれません。しかし関係者に詰め寄って罵声を浴びせたり、場内で暴れたりすることはあってはなりません。

舟券は返還されるので損はしていないわけですし、非常識なフライングに対し非常識なファンになってはいけないのです。考えようによってはF持ちの選手を考慮することで判断材料とする、F持ちの選手以外でもこうした注目される事件があればスタートに一層慎重になるかもしれない、などと自分の予想要素を冷静に増やすのが賢いファンのやり方ではないでしょうか。

 

もしどうしても治まらない場合は、気分を切り替えて音楽を聴いたり、リズムにあわせて踊って発散すればいいんだと思います。そう、「サンバでも良し!!」の精神です。(なおビキニの女性は各自調達のこと)

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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