やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE17 待機行動改正事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE17 待機行動改正事件】

ボートレース初心者への壁の一つとして存在するのが、いわゆる待機行動ではないでしょうか。ピットから出てそのままスタートを切るわけでなく、一度小回り防止ブイからぐるっと回って整列、その間に枠とコースが入れ替わったりするからもう大変にわかりづらい。そもそも勢いよくピット離れしたかと思えば、結局全艇枠なりのコースだったりもするので、争ってるのかなんらかの茶番なのかも判断がしづらい状況です。

そしてこんな疑問も生まれてくると思います、コースどりが早い者勝ちならもっと激しく取り合いをしないものかと。

実は過去の待機行動中は現在よりも激しく争っていました。なんならボート同士がガンガン接触していましたし、しまいには手で他艇を押さえつけたりもしていたみたいです。話だけ聞くと、そのうちごういんな進入とかで他艇をブッとばしたりしそうですね。しかしそうした状況は実際には「進入に変化が無い」「わかりづらい」とファンからの評判が芳しくありませんでした。

ガンガンぶつかりあっていたらむしろ有利不利がわかりやすいのでは? と思いがちですが、実はイン側の選手には待機行動必勝法とも呼ぶべき動きがあり、徹底すると外枠の艇がほぼノーチャンスになってしまうという恐るべき戦法が存在したのです。

 

■必勝待機行動RTA

必勝法と言ってもその内容は単純なものでした。

・イン側の選手は小回り防止ブイをふくらんで大きく回る

・他艇が内側に入り込めないようにブロックしながらコース進入

・ボートを横に向ける等蛇行させ、深インとならないよう時間を稼ぐ

文章にするとこんな感じでしょうか。特に蛇行が厄介で、コース取り前づけの弱点と言われる助走距離不足を最小限に抑えることができました。ローリスクハイリターンと言えるこの戦法は多くの選手が当然のごとく取り入れ、見た目上素早く回っていても、結果としてそのほとんどが枠なりのコースとなってしまいました。

 

▲実は相当強い戦法「蛇行」

 

そうなるとファンも待機行動の駆け引きを楽しめませんし、多くのボートがスタート前に蛇行を繰り返してウロチョロしている状況は見た目としてもよろしくありません。選手としては勝つために大真面目に行動した結果とは言え、水上の同じ場所でひたすらくるくる回っているボートがあれば、ファンとしてはおいレースしろよくらい言いたくなるでしょう。

 

■ルール改正するよ!

日本モーターボート競走会は、待機行動の活性化と駆け引きの分かりやすさのため、2009年に「待機行動実施細則」の一部改正を発表しました。

簡単に言えばダッシュ勢以外は素早くインにボートを寄せること、そしてスロー航行時の蛇行禁止(正確に言えば右転舵を待機行動違反とした)等がルール改正されました。競技としての公正さとファンへのわかりやすさを保つため、日々ルール整備も進められているわけですね。

原則的にインが強くて初心者にわかりづらいこと自体は変わらないんですけど。まぁそのへんはだいぶ緩和されました。

 

実際にこのルール改正のおかげで深インのリスクをとって前づけするか、前づけを狙う選手に付き合うか、はたまた前づけを仕掛けるとみせかけて他艇の動きをコントロールするか、という駆け引きが楽しめる場面が増えました。レースが荒れるので嫌う人もいますが、個人的には好きなんですよね。待機行動時に仕掛ける選手がいると「おっ、やるのかい!? てやんでぇイキがいいねぇ!!」と自分でもよくわからない江戸っ子みたいな気分になってワクワクしてしまいます。

ちなみに先日ワクワクした前づけ選手はそのままフライングして去っていきました。イキが良すぎるのも困りものですね。

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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