やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE28 逆走!? 幻惑救助艇事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

 

【FILE28 逆走!? 幻惑救助艇事件】

どうもみなさん御機嫌よう、岡井です。人に助けられた経験は誰しも持つもので、何かトラブルがあった時に手を差し伸べてくれる存在はありがたいものです。

仕事で行き詰まった時に導いてくれる上司や先輩、体調を崩したときに看病してくれる家族といった身近なものから、事件・事故があった時に駆けつける警察や救急まで、その存在は様々ですが、いずれも安心・安全のために非常に大きな役割を果たしてくれています。

 

ボートレースにおいては、レース中のトラブル対応と言えば救助艇。落水や転覆が起こった場合にコース脇から出てきて選手を救助に来るあの舟です。

救助艇は前進のみでなく中立や後退も可能であり引き波も立ちにくく、救助に適した構造をしています。さらにその要員は救助艇、応急処置法、止血法、人口呼吸法、通信、結索(ロープ技術)について必要な訓練または講習を受けた者で、海技免状(船長や航海士、機関士など「船舶職員」として船に乗り組むための国家資格)を所有している者。とされており、水上救助のプロと言える存在です。

なんか救助にのんびりした舟が出てきたな、などと思っていたらとんでもない、国家資格持ちのエリートですよ。そんな救助艇が控えているから、ボートレーサーも勝負に集中できるのでしょう。

 

幻惑の救助艇

そんな大切な役割を担う救助艇ですが、時折選手やファンを惑わせてしまう困った存在になってしまうこともあります。いや、救助艇なんだから役立つことはあっても困らせることなんでないでしょ、と思ったあなたはまだ救助艇のルールを知らないのです。

 

2009年12月26日 丸亀 8R

暮れもおし迫った時期のナイターレース。進入は2コースに5号艇のA1選手が入る強気の動きを見せており、荒れるかもしれないと注目が集まります。スタートは正常、3コースに入った2号艇の伸びが良く1マークに突入、わずかに流れた2号艇の隙をついてインから3号艇が差しこんでトップに出ます。序盤から激しい動きをみせたレースも3-5-2の形で進行。

この時バックストレッチの直線で6号艇と4号艇が接触、4号艇は落水失格となります。とはいえレースのトップ3には影響しない後方でのアクシデント、これはもう3-5-2で動かないだろうとファンも喜んだり落胆したりと様々な反応をみせます。

3号艇がトップのまま2周目に突入、1マークを回ってさぁ直線……といったところで何故かUターンをします。えっ!? どうした冗談はよせよという舟券購入者の困惑をよそに逆走をして、再び1マーク手前付近まで戻る3号艇。これが致命的なロスとなり、トップだったはずが一気に4位に転落してしまいます。5位の6号艇は接触アクシデントから立ち直ってなんとか完走するような状態だったため、実質的なレース参加艇としては最下位、一体何があったのでしょう。

 

▲トップだった3号艇がおっかなびっくり逆走をみせる

救助のさだめ

実はこの2周目のタイミングで1マークからバックストレッチ側の離れた位置に救助艇が出ていました。救助艇に関してはいくつかのルールがあるのですが、そのうちの一つに「救助艇の内側を回ってはいけない」という原則があります。そのため3号艇は一旦逆走してでも大回りして救助艇の外を回ったのです。

この救助艇の外側を回るルールは安全な救助活動をするためのものです。転覆や落水しているそばでビュンビュンとばされていては救助活動どころか二次事故にもつながりかねないですし、選手たちもそれを理解して付近では減速して大回りするような状態になることがほとんどです。ちなみに場合によっては外側を回る場合もあり、その場合は外側回りの指示が出ます。

 

ただこのレース、さすがに救助艇の位置が悪かったと思います。人命を最優先しなければいけない時にレース展開など考えていられない、という意見は至極もっともですが、通過していいものか迷った3号艇が右往左往する姿は本当にかわいそうでした。

 

選手責任外の失格があるなら選手責任外の降着も認めるべきでは、と思ってしまう事件でした。私も待ち合わせに遅れた時なんかに選手責任外の遅刻ですくらい言いたいですね。全然違いますか、そうですか。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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