やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE29 瞬時の判断!? 立ちはだかる壁事件

連載
やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

 

【FILE29 瞬時の判断!? 立ちはだかる壁事件】

どうもみなさん御機嫌よう、岡井です。

人生に壁はつきもの。受験や就職だけでなく、人間関係の悩みに突き当たることも多いでしょう。その壁を乗り越えた時に人は成長すると言われていますが、時にはあまりにも大きすぎる壁もあるわけです。

過去にメーカーの営業マンをやっていた私ですが、はちゃめちゃに頑張って売り上げを前年比1.5倍にしたことがありました。そうすると次年度にはその1.5倍からさらに2倍の売上目標が課せられました。新商品があるとか客層が変わるといった要素も何もなく、これくらいできんだろみたいな感覚で割り振る上司、できるわけないだろ。売り上げ目標という壁に加え、上司との気持ちの壁も感じたものです。

ボートレーサーにとっての壁を考えてみると、それは着順を競うライバルであったり、重要なスタート目安である大時計、あるいは自分自身という壁もあるかもしれません。とあるレースではその他にも壁が姿を現した事件がありました。物理的にボートの進行を阻む、大きな壁が。

 

■刺客の名は救助艇

2011年7月6日 芦屋 1R

この日は天候は雨。雲が低く広がるも風はおだやかであり、芦屋の水面も静かな第一レース。

スタートは全艇正常、ダッシュ勢の4号艇の伸びがよく、第一マークに差し掛かろうかというところで前に出ます。すると後続の3号艇が引き波に飲まれたか落水、残る5艇でレースが続けることとなります。

2周目に入り、ホームストレッチ側では事故艇を避けての航行。前回の連載でも触れましたが、事故艇の救助活動がおこなわれているときは、安全のため追い越しをかけてはいけないルールがあります。さらに付け加えると、ボートは加速が乗るのに時間がかかる乗り物なので、事故艇を通過して即座に激しい順位争いが再開されるなどということはほぼありません。現行の順位のまま決まりというのが大勢の見方でしょう。2周2マークを旋回する時点で先頭の4号艇は後続に5~6艇身の差をキープ、もう多少のことでは順位が動かないリードです。

3週目に入る手前、ここから事件が起こります。2周目と同様減速しながら大きく外に艇を寄せる4号艇、そして事故艇と救助艇を避けて……避け……、ぶつかりました。雨とはいえ遮るものが無い水面での衝突、直前に船首を内に向け避けようとしていたところから、見えていないというわけでもなさそうですが。

その間に後続の1号艇が内から追い抜いていきレースは決着、決まりては「恵まれ」でした。4号艇は救助妨害をとられ選手責任の失格、一体何があったのでしょう。

 

■インorアウトの選択はコーナーのみならず

状況を紐解いていくと、4号艇は3周目も救助艇を外回りでかわそうとしたと考えられます。ところが航行指示が内回りになっておりそれを見落とした、気づいた時には……。といった流れでしょう。

どの時点で航行指示が変わっていたかは定かではありませんが、前回コラムと同じく救助艇の航行指示に翻弄されてしまった結果と言えます。プロなんだから指示表示をしっかり確認すべきと言われてしまえばそれまでですが、やはりちょっとかわいそうな気もしてしまいますね。

 

▲内か外か、安全確保もプロの務め

ボートレーサーはターンを回る時、インを攻めるかアウトからまくるかの判断が問われますが、救助艇が出た時にもインとアウトの選択を迫られるわけです。注意力、そして判断力という壁を乗り越えなければ、文字通りそのままぶつかってしまいます。さっきまでイン指示だった思っても状況は目まぐるしく変わるもの、「女心と秋の空と救助艇」くらいのことわざができてもいいくらいです。

私も女心と天気を読むのは得意ですが、ボートの予想だけはいまだ未熟です。……いやぁホント、得意なんだけどなぁ、女心と天気は。ねぇ?

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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