やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE30 謎の幽霊艇事件

連載
やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE30 謎の幽霊艇事件】

どうもみなさん御機嫌よう、岡井です。

かの大航海時代、船乗り達の間では幽霊船の噂が定期的に流れていました。ひとくちに幽霊船と言っても大きく分けて2パターンあり、巨大な帆船が霧の中から出現したかと思ったら瞬時に消えてしまう、前方にみえる船影にどうやっても追いつけない等、船そのものに実体がない幽霊のようなもの。船自体に異常はないものの乗員乗客が忽然と姿を消した大型客船や、いわゆる幽霊が出現する船という実体はあるが異常な現象が起きる船。といった2通りの話が主流でした。。

いずれも信憑性のある資料が現存することが少なく、現在の見解では大型生物や蜃気楼等の自然現象を見間違えたものとされる事件も多いそうです。気のせいと言ってしまえばそれまでですが、それだけ当時の船旅は不安定なものであり、乗組員を含め一大イベントであったであったことがうかがえます。

 

ボートレースにも有名な幽霊事件があります。それも老朽化した施設に出る、トイレの花子さん的なものではありません。ボートが行きかう水面での出来事であり、正体不明のボートの存在に当時は大変な騒ぎとなったそうです。帆船で太平洋を横断するような状況ならいざ知らず、観客席での観戦者もいるボートレース場で幽霊事件、それはこんな話でした。

 

■鳴門の幽霊艇

昭和29年1月 鳴門競艇場(現ボートレース鳴門)

全てのボートがゴールし、レースは何事もなく終了。するはずだったが、判定写真を見た人々は出走したボートの先を走る謎のボートの姿を確認する。「一体これは?」「レース中に他艇が入ってくることなど無かったはず」「しかし動物や波の影にも見えない」人々が不可解な写真に首を傾げる中誰かが言った「これ、あの選手じゃ……」

 

▲謎のボートの正体とは

あの選手とは前年12月に同じく鳴門のレースに出走した選手のことだった。彼はファンの期待に応えて最終日の優勝戦に出走し、一番人気でスタートする。しかし1マークでボートトラブルから大きくコースを外れ、5着に終わってしまう。

この結果にファンは「八百長だ」と暴動を起こす騒ぎに発展、警察機動隊が駆けつける事態となってしまった。八百長レーサーの汚名を着せられてしまった彼は「残念です、次に鳴門で出走させてもらえれば汚名をきれいにそそぎたい」と悔しさをにじませたという。

しかし彼が鳴門を走ることは無かった。同年12月の唐津に出場した際、練習中に事故死してしまったからだ。関係者らも彼が鳴門での出来事を気にしていたことを証言しており、無念の思いから幽霊となって鳴門に現れたのではと噂になった。

 

この事件は新聞に掲載されることとなり、鳴門市議会でも議論された。その際の結論は蜃気楼の類であろうとのことであったのだが……。

 

■続出した謎のボート、その正体は未だ……

しかしその後も複数のレース場で正体不明のボートが写真に写りこむ現象が起こり、その都度新聞で報道される等、ボートファンのみならず世間の関心を集めることとなります。

原因究明についても写真判定に使われているカメラが原因だとする見解が出れば、カメラが原因だとすると逆にもっと起こっていなければおかしい現象だとする意見が出るなど混迷し、結局のところはっきりとした結論は出ずじまい。しまいには世間の関心を集めるために幽霊艇騒ぎを利用しているのでは、などという意見まで飛び出る始末でした。

 

無念を晴らすために現れた幽霊ではないかという見方は、ボートレーサーを見続けたファンの気持ちの表れとも考えられます。現在の科学技術があればもしかしたらはっきりとした原因がわかるのかもしれません、しかし当時原因不明だったからこそ、あの選手ならばこうするのではと思わせる、そんな現象に世間の関心が高まったのでしょう。

もちろん事故など起こらず無事に活躍してくれるのが一番です。いちファンとして、心に残るようなレースを今後も楽しませてほしいですね。

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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