やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE38 すみやかに全艇失格事件

連載
やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

 

【FILE38 すみやかに全艇失格事件】

どうもみなさんごきげんよう、岡井です。ボートレースにおいて全ボートが失格となることはごく稀に起こり得ます。長い歴史のなかではその理由も様々、このコラムでも全ボート転覆事件はご紹介しましたが、他の理由で失格となる場合もあるのです。

 

ボートレースにおいて失格となる理由は周回方向 ・周回の誤認 ・タイムオーバー ・危険な転舵 ・緊急避譲義務違反 ・転覆、沈没、落水と様々。これらはフライングや出遅れ等の欠場と違い舟券の返還も無いため、該当する舟券を買っていた場合はその瞬間から文字通り紙切れとなってしまいます。

フライングが起こると残念だとは思いながらも、買った分の返還はあるし損はしていないと考えることもできるのですが、例えば単独での転覆なんかがあった場合には「おいちょっと待たんかい」くらい言いたくなるのもファンの心理。

しかし全員失格は少々のことでは起こりません。前述の理由を考えても全選手が周回誤認やタイムオーバーをしてしまうことはまず無いと言ってよく、それこそ全てのボートを巻き込んだ大規模なアクシデントによる転覆や落水くらいでしょうか。……いえ、もう一つありました、航走指示違反です。

 

■魔の第2マーク

2006年 9月16日 三国 5R

進入はインから234651。1号艇が大外に入る展開となりましたが、これは展示通り。なにやら波乱を予感させますが、気になるスタートも正常。好スタートを切ったのは3号艇と6号艇でしたが、1マークを回ると6号艇が2艇身差でリード、バックストレッチで先頭に迫るのは1号艇4号艇といったかたちになります。

しかし2マークを回ったところで1号艇が引き波の影響からか大きくバランスを崩し大きく振り込み(※)落水。アクシデントにより1艇が失格となりました。

(※振り込み、とは旋回後に直線航行に入るため艇をまっすぐ向かせる際、内側方向に回り過ぎることやバランスを崩すことを指す。)

後続がやや影響を受けたものの、残された5艇でレースは続行。645の順で2周目に突入し2マークを回ります。今度はアクシデントもなく無事に通過し、勝負は3周目のバックストレッチに。──と思われた直後、場内にアナウンスが響きます。

「2番3番4番5番6番、失格」

まもなくゴールというところでの連続失格宣言、先の1号艇とあわせると全ボートの失格が宣言されました、これはいわゆる返還艇123456でのレース中止。一体何が起きたというのでしょうか……。

■颯爽と失格し続けるレーサー達

結論から言うとこの失格理由は航走指示違反によるもの。1号艇の救助にあたっていた救助艇のインを通った、という理由での失格です。そう、このコラムのFILE28FILE29でもご紹介した救助艇にまつわる事件でした。またおまえか。

ちなみに正式な競技規定は以下の通り。

モーターボート競走競技規程(抜粋)

『モーターボートは、ターンマーク付近において救助艇又は事故艇がある場合は、審判委員長の指示により、その外側を(救助艇又は事故艇の外側に安全な間隔がない場合にあっては、その内側を)航走しなければならない。』

 

問題の2周2マークの旋回時に選手達がわずかながら戸惑っているようにも見えます。というのも救助している場所がかなりアウト寄りだったので、そこのさらに外側を通るとなると遠回りかつ危険を伴うと判断されたのかもしれません。実際高速で移動しているボート上で瞬時に判断するのはかなり難しいと思いますし、救助艇がらみの航行指示に関しては議論になりやすい問題だったりもします。

ただこのレース、展開だけをみると妙にテンポよく次々と失格になっていくという意味ではかなり珍しい状況になっています。面白がってはいけないかもしれませんが、通常のレースと同様に走っていたら順に失格になっていく様子は、悪魔超人なら「呪いのベルトコンベアー」くらいの名前を付けたかもしれません。ゲェー!!

 

▲グオッフォッフォッ、呪いのベルトコンベアー!

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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