やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE54 とばっちり!? 巻き込み出遅れ事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE54 とばっちり!? 巻き込み出遅れ事件】

どうもみなさんごきげんよう、岡井です。スタート前の枠争いはボートの常、ピットアウトから真剣勝負は始まっています。そして枠が確定してからは無用に動かず、一様に大時計の針の動きに集中しながら0.01秒でも早いスタートを狙います。今回はそんな枠決定からスタート通過の合間に起こった事件をご紹介、スタート直線の間隙に不可解な事が起こりました。

 

ボートレースの枠争いは稀に熾烈な展開になることもあります。レースに勝つために有利とされるイン枠を狙うということはある意味当然のことであり、もしもピットを出遅れた選手がいれば容赦なくアウトに追いやられることでしょう。とはいえピットアウト時点で既に1号艇が最もインに近く、アクシデントが無ければ大きく枠がずれることは稀です。

そして一旦枠が決まってしまえばそこからは束の間の沈黙、全選手がスタートに集中します。回り直してアウトに構えることもありますが、それでも枠が決まってから動くことはほとんどありません。動いているとしたらそれは何かアクシデントが起こっている時、たとえばそれはこんな事件の時です。

 

■勝負の世界は非情……ってオイィ!?

2019年 7月10日 津 12R

進入は枠なりのレースで123がイン、456がダッシュの構えとなるオーソドックスなかたちでスタートを待ちます。大時計の針が動き、各選手がタイミングを図る中、1号艇はピンチにおちいっていました。

実はこの時、1号艇はホームストレッチに入る際に水をもらってしまいエンストしていたのです。なんとか1コースは死守したものの、素早い立て直しが求められます。転覆や落水と違ってエンストならば復帰可能な場合も多く、選手も必死でエンジンの再点火を試みます。間近で見ている2号艇選手もその心中はいかがなものでしょう。同じボートレーサーとして不運を嘆いているか、それともこれも勝負の世界としてチャンスと見ているのか。

スタート時間が差し迫る中、何度も何度もエンジンの機嫌をみながら調整を続けます。なにしろ絶好の1コース、勝てる勝負を不運なエンストで落とすわけにはいくまいと必死にもなるというものでしょう。もちろん時計は待ってくれません、いよいよスタートタイミングとなり各選手が加速していきます。

 

もうダメか、誰もがそう思ったその時、なんと1号艇のエンジンが始動しました。まるで漫画やドラマの世界、ギリギリのタイミングで戦線復帰を果たします。そしてはじける様に加速し始めた1号艇は――

▲突然の復帰、コントロールを失い2号艇に……

大きく横にそれて2号艇に激突。転覆こそしなかったもののスタートには間に合わず、出遅れ失格となりました。

 

■勝負の世界は非情……ホントだよ!!

枠争いでのアクシデントではなく、決定後のアクシデントはかなりの珍事。1マークまではほぼ直線に走り、いかにベストタイミングでスタートを切るかが注目されるシーンにおいて、そのスタートのはるか以前に接触するアクシデントなど見守るファンも予想外だったことでしょう。

 

そしてこのスタートの本当の犠牲者は2号艇。握りこんだ直後に1号艇に衝突された影響でスタートが.99の出遅れギリギリとなってしまい、最終順位も出場中最下位の5着となってしまいました。1号艇はLでの出遅れ失格となっているので、圧倒的に出遅れた状態で3周走る2号艇には同情の念を感じずにはいられません。ゆるせ1号艇よ、勝負の世界は非情なのさと握りこんだかはわかりませんが、とにかく本来自分には何のアクシデントも起きていない状況でのもらい事故でした。

 

一度水上に出たらそこは戦場、一瞬たりとも気が抜けないということでしょうか、ボートレースの厳しい一面を垣間見た気がします。……でもこの状況でぶつかってくるボートは予想できないし、かわせません、2号艇は泣いていいと思います。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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