やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE56 優勝後最速!? セルフ水神祭事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE56 優勝後最速!? セルフ水神祭事件】

どうもみなさんごきげんよう、岡井です。ボートレースには水神祭という行事が存在します。対象選手が水面に投げ込まれるという複数人いなければ開催不可能なこのイベントを一人で、かつ優勝後最短で開催してしまう事件がありました。いったいなぜ、どうやって、今回の事件簿を読めばその一部始終がわかります。

 

水神祭は初勝利や節目の勝利を挙げたボートレーサーが水面に投げ込まれる行事であり、同支部や同期の選手達が中心となってお祝いとしておこなわれます。調べてみると1980年代の本栖研修所時代から始まったと言われており、今でも養成所での競争でも優勝したら水神祭があるらしいので、これはもはやボートレースの伝統といってもよさそうですね。

傍目に見ればわざわざ水の中に放り込まれるというこの行為、冷たいし怪我でもしたらなんて考えないでもありませんが、F1レースの表彰台でもシャンパンを豪快にぶっぱなしてますし、野球でもリーグ優勝で選手がビールをかけたり、ファンが川に飛び込んだりしてましたね。……まぁ川に飛び込むのは危険行為で禁止されてますけど。

いずれにしてもお祝い事や祭りでは豪快に水分をスプラッシュさせるというのは、定番のイベントなのかもしれません。確かにみんなで騒ぎながらほとばしるというのは非常にエネルギッシュであり、記念イベントとしても良いものだと思えます。

 

■ひとりで水神祭できるもん

このように水神祭はボートレースにおける一種のお祝いイベントであり伝統行事です。具体的な流れとしては優勝戦で1着となり、選手達は一旦ピットに帰ってきます。その後ボートを整備し、レース終了時に改めてというかたちが一般的なようです。

しかしある時、この流れをぶっちぎりダイレクト水神祭を達成した選手が出現しました。

 

2009年 6月29日 びわこ 12R

雨の降り出した優勝戦はポールポジションから一気に押し切ったかたちで1号艇が1着、1-6-3で決定したレースとなりました。

ゴール後はいつものように1マークを回りピットへ帰っていく各選手達。優勝した1号艇選手が先頭となり、颯爽とバックストレッチ側を進んでいきます。ヘルメット着用のため表情までは読めませんが、快調にボートを走らせる様子からは喜びが伝わってくるようです。

これで本日の全レースは終了、勝利の余韻を味わう選手とファンに包まれたボートレースびわこの日が暮れていきます。

──っとその時!!

▲何の前触れもなく水面に踊る1号艇選手

ピットに向かう1号艇が徐々に船首を浮かしそのまま転覆。特に何かと接触するわけでもなく、ゆっくりとひっくり返ったボートと共に選手はびわこの水面に吸い込まれていきました。

優勝の嬉しさで加速し過ぎたのか、波の影響で操作を誤ったのか、原因は定かではありませんがこれには周囲の選手もファンも動揺を隠せず、勝利の余韻どころかレース場にはどよめきがあふれました。

 

■レース中よりも盛り上がる転覆

展示中に転覆した場合は欠場になることがほとんどですが、今回の場合は着順確定後だったので順位に変更はありません。最終日最終レースだったこともあり、水が入ったボートの整備が不要だったのも幸いだったことでしょう。

それにしても優勝決定のわずか数秒後に水面にダイブするなんて水神祭には気が早すぎます。「ウォォー優勝だああああ、あっああ!?」くらいのスピード感だったので、さすがの水神様も「おいちょっと待てよ」くらい言うのではないでしょうか。

もちろんこれ自体は故意のものではなく事故だったのでしょうけれど、普通ならば失格選手の扱いである救助艇に運ばれながら優勝するという珍現象が起こったこの日の優勝戦は、レース中よりもレース後の方が盛り上がったと言えるのかもしれません。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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