やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE57 スタートの魔物 高額返還事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE57 スタートの魔物 高額返還事件】

どうもみなさんごきげんよう、岡井です。ボートレースには付き物のスタート事故。事故と言ってもボートがクラッシュするようなものはほとんど無く、その多くはフライングや出遅れです。そしてスタート事故が起きた場合、その艇がからんだ舟券は全額返還となります。大きなレースや人気選手になるほど販売額が大きく、それゆえに返還となった場合の金額も大きくなりますが、今回はその中でも指折りの高額返還レースをご紹介しましょう。

 

スタート事故発生時の処遇についてもう少し解説します。売り上げ的な意味で返還分の減少があるのはもちろん、返還が起こった場合は該当艇を除いた売上金の中からオッズが再計算されます。発売締め切り時点で万舟となるオッズの舟券が出たとしても、レース着順が確定した後の払戻金ではその半分以下になることも珍しくありません。

該当艇がらみの舟券を購入し、かつハズレていた場合には返還で助かったと思えるかもしれませんが、予想を的中させていた人からすると迷惑な話でしかないでしょう。

また選手にとってスタート事故は、一定の期間に1回でもあれば当該出場節の賞典レース除外と30日の出走禁止となります。大幅なフライングや複数回繰り返したりするとさらに出走禁止期間が増え、1節でフライング4本以上を出した場合は事実上の引退勧告がなされることもあります。

頻繁にスタート事故を起こす選手がいればレースが壊れてしまうので主催者側からも問題視されるでしょうし、そもそも4本フライングすると180日という長期間の出場禁止となるのでボートレーサーとして成り立たないという側面もあります。

 

■0.05秒で返還10億越え

2001年12月24日 住之江 12R

この日のレースは獲得賞金上位18名によるSG競争、賞金王決定戦。当然ながら人気、実力共に高い選手が集まるオールスター戦といった様相であり、年末かつクリスマスという日程のこのレースに夢を託すファンも多いものでした。

そんな期待度満点ではち切れそうな会場で、フライングをはち切れてしまったのが5号艇。

F0.5を記録してしまったこのレースでの返還額は18億5882万8200円、返還率は43.3%でした。1艇のフライング返還としては史上最高額を記録したこのレースは、わずか0.05秒の差で18億の行方が決まってしまったのでした。

 

2002年6月30日 宮島 12R

上記の18億の返還があったレースからわずか半年後、宮島で開催されたグランドチャンピオン決定戦で再び事件が起こります。

このレースもSGで活躍した選手が集結するというSGの中でも特にレベルの高いレースだったのですが、1コースの1号艇と2コースの2号艇が揃ってフライングしてしまいます。SGの優勝戦で有力な1、2番人気のフライングだけあってその返還金額は膨大なものとなり、その額実に24億3513万3800円返還率は92.8%にものぼりました。ちなみにこれは最大返還総額記録です。

 

▲選手が直接背負うわけではありませんが、重圧は相当なもの

 

■注意一瞬、返還億

SGに出場するような選手達のレースは、それこそ0.01秒を競う展開になります。スタートを安全に決めることも大切ですが、F無しで慎重にスタートした結果最下位に沈むなんてことがあれば意味がありません。スタート事故を起こさないことが目的ではなく、勝つことが目的なのです。

何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、SGとはそれだけ厳しいレースであり、攻めていかなくては勝ちは得られない世界ということです。

 

ご紹介したスタート事故を起こした選手はその後も活躍を続けており、高額の返還金額のプレッシャーに負けてしまうこともありませんでした。このあたりもさすがプロのボートレーサーといったところでしょう。

どうでもいい話ですが、私はプレッシャーに弱いので、誰かに見られているだけで満足に喋ることもできなくなってその日の言動を布団の中でもがいて後悔することがよくあります。別に大金の返還も選手生命もかかっていないので、ただのメンタル弱者です。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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