やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE60 無人艇が牙を剥く!? 暴れボート事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE60 無人艇が牙を剥く!? 暴れボート事件】

レース競技は操縦士がいてこその競技、競輪や競馬、そしてボートレースといった公営競技に限ってみてもそれぞれをコントロールする選手がいてこそ成立します。選手がいない場合はスタートタイミングも調整できませんし、レースもそれぞれがあらぬ方向に進んでしまうかもしれません。

技術が発達した現在ではコンピューターによる自動操縦でレースも可能かもしれません。しかしそうしたレースの場合は性能の優劣を図る面が強く、選手同士の駆け引きも存在しません。それを競技と呼ぶのはちょっと違和感がありますよね。

 

しかしボートレースの世界では時折無人ボートが航行する場合があります。落水トラブルがあるし、直後には少しボートが動くくらいはあるのかなと考えたあなたは甘い。機材トラブルか心霊現象か、無人のボートが動き続けてレース中の選手に向かっていく事件が起きたのです。

 

■無人ボートが高速旋回

2006年 1月28日 からつ 7R

この日のからつで開催されていたのは新鋭王座決定戦、2013年まで存在した若手選手を対象としたG1レースです。いずれも20代の若手選手が集うこの戦い、スター選手の誕生にボートレースファンからの注目も集まります。

風速6mとやや風が出た7Rとなりましたが、12/3456の枠なりでスタート。第一ターンマークで1号艇2号艇がやや抜け出したもののレースはまだわからず、2マークに入って2号艇がトップ旋回、続いて1号艇が追うかたちに。

しかしここでアクシデント、インを狙い過ぎたか1号艇がターンマークに接触、混戦模様だった後続も次々に1号艇と接触する事故に。落水した1号艇は妨害失格となり、被害を受けた3号艇もエンスト失格となりました。先行していた2号艇以外が影響を受けたアクシデントと言う意味では規模が大きいものでしたが、怪我をした選手がいなかったのが不幸中の幸いでした。

 

G1レースで起こった展開を大きく変えるアクシデントでした、と通常ならばここまでなのですが、この事件には続きがあります。

落水して無人となった1号艇ですが、エンジンがかかったままその場で旋回を続けていました。これは操縦無しの状態になるとペラが左回転なので逆回りに力がかかり右旋回を続ける現象らしいのですが、接触のアクシデントがあったボートはエンスト状態になることが多いためこれだけでもちょっと珍しい気がします。

とはいえレースは続行されます、アクシデントの結果2-6-5の順となってボートが再び2マークに戻ってきました。救助艇を避て大きく外回りになるため、ここでは順位の変動も無くゆっくりと平和に進行していきます──

と思いきや無人で旋回を続けていた1号艇が突如旋回をやめ直進、進路の先には5号艇が!! 無人機による特攻アタックという悪夢のような奇襲を受けた5号艇の運命や如何に!?

 

▲狙いすましたかのような無人突撃が!?

5号艇はすんでのところで1号艇をかわしレースを続行。2次災害とも言える不測の事態が起こった恐るべきレースでしたが最終的に2-6-5で決着しました。いや何事もなくてよかった。

 

■1号艇は2度襲う

1周でかろうじてアクシデントを乗り越えた直後、2周目でもまた1号艇が襲い掛かるという5号艇の受難。まぁ正確に言えば襲われたわけではないのですが、それでも「またお前か」くらい言いたくなったのではないでしょうか。どうでもいいことですが、無人となった1号艇が進んでいったのはのピット方向だったので、自動で充電しにいくルンバみたいだなと思ってしまいました。

落水事故の結果、無人ボートが誕生するところまではありそうだなと思えますが、それが動き続けてさらなる事故にヒヤッとさせられるなど昔ならば悪魔が乗り移ったとか思われそうな事件です。いやほんと怪我が無くてよかったと思います。

ちなみにアクシデントに巻き込まれて一時停止状態となった4号艇は、その後立て直しに成功し完走に成功しています。無人で旋回しまくっている1号艇の傍でしっかりと立て直せるという冷静で的確な判断は地味にスゴイのでは。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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