やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE66 水が漏れちゃう!? 水位低下事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE66 水位低下事件】

言うまでもなくボートレースは水上の競技であり、各ボートレース場は海、あるいは河川の水を利用して競技水面を構築しています。自然を利用しているので環境の変化はそのまま水面の変化にも直結し、流れや波の発生の他、潮の満ち引きや雨の影響で水位が変わることは想像がつくでしょう。

もちろんレース場は水門や消波装置の設置等環境の変化も考慮された設計のため、多少のことではレースが中止になることはありません。実際に水面が荒れるという状況は、水そのものよりも風の影響が強いとも言えるのではないでしょうか。

しかしある日そんなボートレース場で事件が起こります、水が無いという珍事が。

 

■シモノセキのお水流出しちゃう

2019年8月29日、ボートレース下関では一般戦:週刊実話杯が開催予定。下関といえば工業地帯の一角い位置する場であり、満潮時に条件を満たすとうねりが生じてマクリが決まりにくくなる水面と言われています。

そんな当日の水面状況は如何にと開催を待ちわびたファンに流れてきたのは1Rから中止のお知らせ、さらに翌日も翌々日も中止とのこと。

たしかにその時期は九州北部に大雨が降っていたこともあり荒天での中止かと思われました。満潮時にうねりが生じるような水面ならば、大雨で水位が上昇すればその影響も強くなる可能性も考えられます。しかし話を聞いていくと水位が上昇どころか、むしろ下がっているから中止とのこと。……えっ、大雨の影響で水位が下がるってどういうこと?

 

▲「上は大水下は大火事」みたいなとんちではありません

実はこの日の下関では大雨の影響で起こった水位差による浸透破壊で護岸付近の施設が破損、レース場内の水が流れ出して水位が下がりピットが沈むなどの影響もありレースが中止になったとのことでした。ちなみに護岸とは河岸や海岸に設置される仕切りのようなもので、下関のレース場では水害を防ぐ目的で海とレース場を隔てるように設置されていました。つまり簡単に言えばレース場の壁が破損して水が海へ流出したため、レースに必要な水量を保てなかったという状態であり、言い方を変えれば大量の雨が降ったために水が無くなりましたという、お前は何を言っているんだ状態に。

大雨の影響には違いないのですが、中止になった直接の理由は予想と少し異なるものでした。なお護岸の補修は大がかりな工事となるため、残念ながらこの週刊実話杯は一節丸ごと中止に。初日から節そのものが全て中止決定されるのもなかなか珍しい出来事だと思います。

 

■水の無いボートレース場

当初は9月4日から再開予定とされていましたが、護岸というのは常に水中にある設備のうえ海と接続しているため常に波が打ち寄せます。陸上にある設備よりも補修が難しかったのでしょう、予定を伸ばして9月14日からレースが再開されました。

ボートレース場の水面を説明する時に、流れやうねりの影響を特徴として挙げる場合はありますし、アクシデント的に波が荒い、風が強いと言う場合もありますが、レースが中止になるほど水が無くなるという状況はなかなかありません。海面と競走水面にさらされ続けている護岸は劣化することもあると言われればその通りなのですが、普段は注目されることの少ない設備ですし、そこが破損するというのは長い歴史の中でもちょっと珍しい現象でした。

 

余談ですが下関での週刊実話杯は前年も荒天で中止となっています。2年連続ということで何かあるのではと考える人もいるかもしれませんが、週刊実話杯の名を冠するレースは全国で多数開催されているので今回の件はたまたま起こったアクシデントということでしょう。まぁ必ずなんらかのアクシデントが起こるレースがあるとしたら週刊誌のネタという意味ではオイシイかもしれませんが。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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