やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE68 ピットアウト後、即ピットイン事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE68 ピットアウト後、即ピットイン事件】

ボートレースは大雨や台風といった要因で出走前にレースが中止になることはしばしば起こります。逆に一旦スタートをしてしまえば途中でアクシデントがあった場合にもレースは続行され、突風が吹いて転覆しようが、野鳥が水面に乱入しようが最後まで残って完走することが求められます。スタート事故や妨害失格となった場合は対象選手がレース中に離脱していきますが、レース自体が中止になるわけではありません。

そんなボートレース開催のある日、一度ピットアウトをして枠が固まればそこからはスタート勝負への一直線、と思いきやそこから一斉にピットへ戻っていくという珍事が起こったことがあります。特に天気は晴れ、風もそれほど吹いておらず、水面で何かが乱入したというわけでもありません。一体何が起こったのか、それはこんな事件でした。

 

■揺れるボートレース場

おはようレースの名を冠した1Rの出来事、レース開始が告げられると素早くピットを出て消波装置を回りつつホーム側に戻ってくる6艇のボート。進入は枠なりか、それとも動きがあるのか一日のはじまりのレースともなる1Rの展開に注目が集まります。

一度走り始めれば、スタート事故があろうとターン中に転覆があろうと3周という規定周回が終わるまでは決して止まることのないボートレース、ゆっくりと動く大時計の針に神経を集中しながらの待機行動で枠に向かって進んでいく選手達。

 

そこで会場が揺れました、揺れると言っても白熱したレースに会場が揺れるという意味ではありません、物理的な揺れ、つまり地震が起こったのです。

互いに顔を合わせる選手達、一体どうなるのか。大時計の針が進み続けながらも何のアナウンスもありません、もしやこのままスタートするのか、いやそれはさすがに、そうしている間にボートを発進させる選手達が──!?

 

一斉にピットに帰っていきました。しばらくしてから「防災より連絡です」と場内アナウンスにて地震があったことが告げられ、避難誘導がおこなわれました。

ただあまり対応に慣れていないのか、このアナウンスも「津波警報の発令予定は、いや津波発生の予想は10時……あ、11時で」といった具合にかなりたどたどしく、いまいち要領を得なかったりしたのですが、これもめったにない地震対応ということがわかる一幕だったりもします。

そしてその日はそのまま全てのレースの中止が発表されました。もちろん安全第一であり当然の対応ではあるのですが、レース場水面の動きとしては、ピットから出た6艇がそのまま消波装置を回ってピットに直帰したのみという珍しいものとなったのです。

▲一斉に出て、一斉に帰っていきました

 

■ともかくご安全に

言うまでもなく選手や観客の安全あってこそのボートレースであり、我々ファンも楽しむことができます。ボートレースという競技は待機行動違反や不良航行といった判定が厳しく、稀に不可抗力ではという状況であっても違反をとられた選手も存在します。しかしそれもレースの公平公正という部分以上に、安全を脅かす行為に繋がりかねないという部分も大きいと思います。直接的な妨害以外なんでもありのルールなら進路妨害やダンプが横行するでしょうし。

ましてやレースの進行上に起こりうるアクシデントではない、それこそ地震のようにレース外の要因は対応を想定していなため、そのまま進行することはなく即座に中止というのも納得です。

 

ただボートがひっくり返るくらい強風が吹いて波が高かったりするケースでも中止にならず、レースが開催される場合があるのですが、そのへんはどうなんでしょう。まぁまぁ危険だと思うんですが、それは強風を乗り越えるのもレーサーの操縦テクニックの範囲内ということでしょうか……。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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