やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE69 ゴール後に1周追加事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE69 ゴール後に一周追加事件】

ボートレースは原則3周1800mの勝負であり、それはどこのレース場のどのレースでも変わりません。各場によって水面状況等の特徴はあっても、それらも自然状況によって変化するようなものに過ぎず、競馬のようにレース毎に距離が数百メートル単位で異なるという違いではありません。稀に2周1200mのレースになる時もありますが、それは荒天時等で水面が荒れている時など特例としてのケースです。

選手もファンも当たり前のように連日3周のレースで競技・観戦し、途中で周回数が変わるようなこともありません。上記の特例である2周レースももちろん事前に2周であることが告げられます。ゴール後にやっぱりもう1周走ってねなどというレースはあり得ないのです。

言うまでもなく競技の途中でルールが変わるなどあってはいけません。それはボートレースに限らず勝負ごとは全てルールによって成り立っているので、その根幹がたやすく変わるようならばそれはゲームとして破綻していると言えるでしょう。負けたら「いや3本勝負だから」と言い出す小学生みたいな感覚で変更されては困るのです。

 

しかしゴール宣言を受けてからさらにもう1周のレース続行が宣言された珍妙な出来事があったのです。それは平和島でのことでした。

 

■幻の最終ターンマーク

某日 平和島 1R

うなるモーター音。舞い上がる飛沫。

「3番手争いは3号艇2号艇の接戦でバックストレッチ中央通過ァ!!」

その日の1Rから繰り広げられる白熱したレースに実況アナウンサーの声も思わず力が入ります。

「最終ターンマークの旋回、先頭でターン4号艇、続いて5号艇が2番手ェ!! その後ろは3号艇2号艇、3号艇2号艇と回ってきたァ!!」

レースの形成がほぼ決まったところであり、あとは3着争いに注目かという状況。直線での追い抜きはほぼ無い、このまま453で決まりか。アウト勢が入り込んでくるという初っ端からなかなか動きがあったレースです。

「先頭4番ゴールイン!! 5番──ッ……」

4号艇の1着がコールされ、残りの着順もまもなく固まろうという状況。なんとなく早期決着な感覚がありました、時間の感覚が早まって感じるほどのスピード感のあるレースだったということでしょうか。そう考えてみればなるほど、先頭の4号艇もスピードを緩める気配がありません。まさにデッドヒートというべき白熱した展開、かっこつけて言えばスピードは時間を置き去りにしたとでも表現できそうです。

 

「……えー、これから最終周回に入ります」

……ん?

実況アナウンサーが何か言ってますね、最終周回? いや、さっきゴールインと言ったじゃないですか、何故もう一周走れと?

▲ゴール宣言後に始まる最終周回

「先頭は4号艇、続いて5号艇が2番手──」

何事もなかったかのように実況が続けられました。そして普通にレースは1マークを回ってもう一周という展開に。周回のおかわりとかアリでしたっけ?

 

実はこれ、アナウンサーの周回誤認によって起こった事件で、2周目を3周目と勘違いしたアナウンサーが3周目の突入をゴールインと宣言してしまったというのが事の真相でした。

なので実際の周回数は3周で間違いありませんし、おそらく選手達も普段と何ら変わりなく3周目に入っていきました。ただ実況を聞きながら観戦している視聴者は混乱したし、実況どうしたんだと思ったことでしょう。

選手の周回誤認の例は過去にもありましたが、実況アナウンサーの周回誤認はなかなかの珍事、レーサーではないので誤認しても失格じゃないのが救いでしょうか。

 

■ベテラン誤認

このレースの実況をしていたのはノッポさんこと島崎慎一郎アナウンサー。当時既にベテランの実況アナウンサーだったのですが、毎日レースを見守り続けた結果逆に周回がわからなくなるものなのでしょうか。普段は流れるような名調子を聞かせてくれるだけに、そのハプニングが目立ちファンもザワついたとかなんとか。

そして特に訂正するわけでもなく実況を続けたのはプロ精神なのか、それともただ誤魔化しただけなのかは不明です。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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