やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE73 救助艇救助せず事件

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やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE73 救助艇救助せず事件】

レース中の転覆や落水といったアクシデント時に活躍するのが救助艇。その名の通り救助するための艇であり、レース開催時は常にコース脇に待機しており有事の際には即座に出動し速やかに選手を救助する存在です。

救助の流れとしてはアクシデント発生時、スタンバイしていた救助艇が発進して水面に落ちた選手がいれば救助艇に引き上げ、残されたボートがあれば回収します。その間もレースは進行していますが、救助活動場所付近を避ける様に航行指示され、さらに追い越しも禁止。そうすることで有事の際も安全かつ速やかに救助ができるというわけです。

救助を目的とする船ということは、道路上で言えば救急車や消防車に近い役割を担っている救助艇ですが、あるレースでは世にも珍しい“救助しない救助艇”を見られる一幕がありました。救助しない救助艇とは何か、それはもはやただの艇ではないかと思ってしまいますが、まぁ色々あったので今回はそのレースの模様をご紹介しましょう。

 

■置き去りレーサー

平和島での出来事。1周2マークで6号艇が振り込み、後続の1号艇2号艇と接触。その結果1号艇が転覆し、6号艇2号艇がエンストしてしまいます。動けない状態なのでいずれにしても完走は不可能だったと思われますが、6号艇は後続艇を妨害したとして妨害失格、そして1号艇は転覆失格で2号艇はエンスト失格に。

というわけで救助艇の出番。動けないボートや選手が水面に放置されるとその後のレース展開に影響するだけでなく、選手が危険にさらされてしまいます。すみやかに2マークに向かい、各選手を救助艇に引き上げると共にボートも回収します。もちろんその間もレースは続いているので、残った選手達も安全に配慮し救助艇の外側をまわっていきます。

レース中継は当然ながらレース中の選手に注目するため3、4、5号艇のレースの模様を追います。2周目2マーク、3周目2マーク時にも救助の様子がうかがえます。救助艇のすみやかな救助活動によって既に1号艇も6号艇も救助済みであり、レースは4-5-3で決着。

さぁ次のレースはと思う場面ですが、何かを忘れているような……。

▲2号艇と選手を残したまま引き上げる救助艇

あ、2号艇がまだ水面に取り残されていました。そしてエンスト状態だったからか水が入り、ボートも沈んでしまうと状況は悪化しています。レース序盤で2マークで脱落した2号艇ですが、1号艇と6号艇が救助された後も何故かまだ2マーク近くで漂っています。

ちなみに救助艇は一度に複数人乗せることができます。2号艇だけを救助しないという理由は無いのですが、これがイジメの現場ということでしょうか、ボートレース界の闇を感じる光景です。まぁ闇といってもだいぶオープンな状況ですけれど。

 

■置き去りの理由

どうも話を聞くとこの2号艇は無視をされたわけではなく、怪我をした選手がいたためそちらの救助を優先的した結果、一旦水面上に放置されるという結果になったようです。救助対象が複数あった場合でも、特に緊急性の高い対象があった場合はそちらを迅速に運んだという判断だったのでしょう。

確認はできませんが、おそらく現場では救助艇から2号艇選手にも後回しになる旨が伝えられたと思います。そうでもないと本当に放置されたことになりますし、助けが来たと思ったら目の前で無視されて置き去りにされるとかまぁまぁ絶望的な気持ちになりますしね。

 

全然関係無いんですけど私は子供の頃バスの中で具合が悪くなった時、一緒にいた姉に助けを求めたところ「我慢しろ」と一蹴されたことがあります。もちろん救助艇のように後から助けに駆けつけてくれるといった配慮も無く、その数分後にゲロ吐いてのたうち回ることになったので今でも姉を恨んでいます。

 

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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