めおと舟 その73『2020年しめくくり!大勝負に挑むぞ その2』

連載
めおと舟

前回までのあらすじ──。
妻の言葉から唐突に始まった夫婦共通の趣味・ボートレース。当初の目的である引っ越しを終え、次なる目標は『楽しみながら勝つ事』。夫婦合算で年間収支プラス30万円を目指し始めた。タイムリミットは年末。果たして結果は……?

【今までの累計戦績(2020年7月~)」】

購入金額 117,100円
払戻金額 115,630円
収支 -1,470円
舟券購入数 112R
的中舟券数 40R
今までの的中率 35%
今までの回収率 99%

さて。

誰しも子供の頃に夢中でハマったものとか、周りで流行ってたものとかはあると思う。オイラの場合は「ファミコン」「ミニ四駆」「ドラゴンボール」「ビックリマン」とかがそれなのだけども、当時はネットなんて小洒落たものは無くて世界が今よりもずっと狭かった事もあり、そういう「流行り廃り」はクラスの中での話題についていけるかどうかにモロに直結していて、少なくともどれか一個はフォローしとかないと、なんならイジめられるくらい重要なものだった。

今はむしろ面倒くさくていろんな事を知りたくないとすら思ってるオイラも、当時は知的好奇心に満ち溢れた元気な男子だったので、上記のトピックは一通りフォローしておったものである。

ビックリマンとか今思うとなにが楽しかったのかよく分からんが、小2だか小3の頃にお年玉全額ブチ込んでオヤジからめちゃくちゃ怒られたのを覚えてる。なんせシールだけ抜いてチョコ捨ててたからね。

ビックリマンのシールを抜いてチョコを捨てる。

これは当時、日本中で問題化してた事だった。たぶん今の二十代の人とかは全く知らんと思うけども、当時の小学校で校長先生を経験してた爺様とかが周りにいたら聞いてみると良い。「あーもう100回くらい全校集会で注意したわい」と絶対言われると思う。小学生って馬鹿なんだけども好きなことに対する情熱だけは物凄いから、何なら近所のスーパーとかのお菓子の入荷時間とかを調べてみんなで共有して、下校時間に猛ダッシュしてみんなで買い占めて、そんでみんなしてチョコを捨てるから、その辺の公園のゴミ箱とかチョコだらけになってたもんさね。

資源と情熱の無駄……! だけども、それが悪い思い出になってるかどうかというとそうでもなく。むしろ微笑ましい、少年時代の良き思い出になってます。

んでだ。

オッサンになるとそういう情熱みたいなのが経年劣化で擦り切れていくらしく。まあ情報量と選択肢がそもそも多すぎるのもあるんだけども、共通の話題で盛り上がるというのがだんだん減ってくるのね。特にオイラみたいな超インドア派の文系オヤジだと、同類項で括れるオヤジとの出会いが極端に少ない。ネット上ではまた違うんだけども、リアルではね。なかなか難しいものさ。

強いて言うなら「パチスロ」というのがその達成に一番近い武器で、それは20代の頃からあんまり変わってないかもしれない。なんせホールにはそれが好きな人しか居ないわけで、必然的に知らんヤツと仲良くなるということも、まあ当時から無くは無かった。

今だと有り難い事に「連れ打ち」という文化があって、そういう所にお邪魔するとやっぱ楽しいんだよね。少なくとも共通の話題には事欠かないし、引きこもり気味のオイラも「連れ打ちだったら楽しいから行っても良いかな」みたいな気分になる程度には、充分に有意義な時間を過ごさせて貰っておる次第。

んで先日だ。

例によって久々に連れ打ちしに行ったのだけど、その後に何人かの物好きでメシを食べる時間があった。ビールを飲みつつ、唐揚げを貪りつつ──。ああ、そうだ。今日は大村があるからボートやっとくかなぁと、スマホでレースを見てると……。

「お。あしのくんボートやるの? 大村?」

一緒に御飯を食べてたのはオイラが師匠と崇める師匠という名のオッサンと、そして最近仲良くさせて貰ってるI氏だ。師匠とはその日朝からガッツリ「不二子」を打っていい感じでやや負けし、その流れのままI氏も合流してメシへ。ヘルニア持ちのオイラと老化が来てる師匠は座敷の席がキツかったんでこっそりテーブルに移り、そこでご一緒させて貰ったのがI氏だった。

「はい、大村ッスね!」
「大村はやっぱ1だよね! もうね、俺大村大好き! だって1買っとけばいいんだもん!」
「間違い無いッスね! へへ!」

ビールを煽りながら楽しそうに笑うI氏。オイラもゲラゲラ笑いながら同意した。ご存知の通り、ボートレース大村は全国屈指のイン勝率を誇る場だ。なんせ1号艇の1着率は約7割。インの弱さが際立つ戸田・江戸川・平和島あたりと比べると20%くらいの差がある。もちろん番組編成で敢えてその側面を用意してる部分もあるとは思うけど、場の特性として「大村はインが異様に強い」というのは間違いない事なのだ。

「どんなレース?」
「ええと、これです」

【12/5 大村 夜の九州スポーツ杯 6R】

見た感じ1号艇中嶋選手の逃げvs4号艇西野選手のマクり対決になりそうな気配。スタート巧者が4カドなので一応は両面にかまえて1からと4からに振り分けるのだけども、言ってもここは大村。いやでも1号艇が輝いて見えるわけで。

「1でしょ! これは1だなぁ!」
「間違いないッスね! これは1-4-5ス! イエーイ!」

3号艇和田選手とのST差から考えて西野選手が頭をおさえるのは間違いない。まくりの体制でターンマークを周るのは見えてるけど、周りきった所で差しまでは届かないハズ。なんせここは大村。1枠がチートの場なのだ。5号艇小野寺選手は西野選手についていくだろうし、その2艇の引波にハマった3号艇和田選手は連に絡まない。当然、2号艇竹下選手は中嶋選手がハメるだろうし、もはや考えられるのは1-4-5か4-1-5しかない。うーん。よし決めた!

【夫の予想】
1-4-5 1点 500円

ビールをゴリゴリに飲みながら深く考えず舟券を購入するオイラ。I氏も、そして師匠も大きく頷く。

「コレしか無いね!」
「簡単だねボート!」

オイラも得意げに胸を張って答える。

「いやーもうレース観るまでもないですねコレは! これサクッと取って3人で閉店くんいきますか! ジャグラー勝負! ハハハ! はー、大村は簡単ばい!」

結果。

4-1-5だった件。テーブルの周りの空気が凍る。

「あ……。なんかごめんね、あしのくん……」

I氏が沈痛な面持ちで言う。オイラは必死で手をふって答えた。

「いや、全然! オイラ一人で予想しててもたぶん1-4-5買ってましたし! これはほら! 大村の……なんていうか……お茶目さと言うか……」
「俺、余計な事言っちゃったね……」
「いや! 全くですよ! Iさん! ホラ、ビール飲みましょう! ビール……!」

この時オイラはふと思った。

あ、オイラ、パチンコ以外の話でちゃんと盛り上がれてる……と。ビックリマン。ミニ四駆。ドラゴンボール。ファミコン。好事家同士が集まればいつだって、少年時代に短パン履いてチョコをゴミ箱にダンクしてた時代と同じ。無邪気に遊べる男子になれるのだ。

「次のレースやりましょう! 次──!」

 

**********

……さて年末に向けてデカめの勝負をやるぜみたいな企画、第3週目。もう12月も2週めに突入しとるわけでそろそろプラ転したい所だけども、現在の収支は-1,470円。ペイアウト75%のボートレースでこれだったらまあほぼ勝ちでいいっちゃいいのだけども、いやどうせなら黒字を目指しましょう! というか目標金額はプラス30万だ!

んで前回『来週は平和島のBTS横浜開設13周年記念を狙うぜ!」と予告したのだけども、すまんアレは嘘だ!(なんだと!)

ちと忙しくて開催中にほぼボートできなかったんで、今週は「蒲郡・浜名湖・大村」あたりを中心でやることになった。まあそういうこともあるさね。ちとレース数が少ないけども、結果がこちら。ポン!

【今期の収支(12/2~12/9)】

購入金額 7,700円
払戻金額 2,820円
収支 -4,880円
購入舟券数 11R
的中舟券数 3R
今期的中率 27%
今期回収率 29%

【今までの累計戦績(2020年7月~)」】

購入金額 124,800円
払戻金額 118,450円
収支 -6,350円
舟券購入数 123R
的中舟券数 43R
今までの的中率 35% → 35%(→)
今までの回収率 99% → 95%(↓)

下がったッ! まあまだ大丈夫。まだ年末まである! こっから目指すぜ30万! その前に黒字化しろオイラ! ガンバ! んで次回の狙いは……! そりゃもうグランプリでしょうが! 本番だぞ!

 

(挿絵:武尊)

著者プロフィール画像
あしの

浅草在住。猫とホラー映画とパチスロを愛する39歳。パチ7にて『インタビューウィズスロッター』連載中。『5スロで稼げるか?』(www.5suro.com/blog)の中の人。ボートレースはからっきし初学者ですが、自分自身で楽しみながらその面白さをお伝えしていきたいと思います。

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