やとわれ編集長 岡井のボート事件簿 FILE74 ゲェー!! 回転待機事件

連載
やとわれ編集長 岡井のボート事件簿

【FILE74 回転待機事件】

ボートレースには待機行動があります。待機行動とはピットアウトからスタートまでの一連の流れを指すものであり、まずピットアウト後にコースを取り合う待機航走、そしてスタートラインに正対してからスタートを切るまでの進入航走といったように進められます。

だいたい2分以内に収まる待機行動ですが、そのなかで様々な駆け引きがおこなわれることはご存じの通り。当連載のFILE17でも待機行動について扱っているのですが、この待機行動時間内もルールがあり、やっていいこととダメなことが決められています。簡単に言えば妨害や時間稼ぎになりうる行動はせず公平にいきましょうというルールなのですが、過去とあるレースであからさまな待機行動違反があり話題になったことがあります。

激しいレース中のはずみで起こるアクシデントとは異なり、待機行動というのは比較的落ち着いてみられる時間だったはず。そんな中での違反は厳しいペナルティもあり、選手にとってもあまり攻める意味が無い部分だったりするのですが、まぁそれでも起こってしまったのです、あまりに当然のように起こってしまったのです。

 

■進入フリースタイル

それは芦屋でのG1レース出来事、まだ昼前の2Rで起こりました。

いつものようにピットアウトをして思い思いのコースに入っていく選手達、ここで6号艇がかなり強気入った結果、最インを勝ち取りました。しかし6号艇がインを取る場合にはそれなりの速度でコースを奪取せねばならず、必然的に深イン(※進入が早すぎて十分な助走距離がとれないこと)の危険性が高まります。

コース取りに一波乱あったものの、ここは他艇もそれぞれのコースに入っていきます。大時計の針はまだスタートから遠く、進入航走の時間はいずれの選手もタイミングを見計らいます。モーター音も一旦落ち着くこの時間、一体動くのはどの選手か……

▲まさかのその場旋回、技とかじゃないですけど

なんとここで動いたのは先ほどインを奪取した6号艇。これ以上ないくらい動いています、だってその場で旋回しているんですから。

待機行動中の右転舵は時間稼ぎ行為として原則禁じられているのですが、なにしろ左にくるくると回っているので確かに右転舵ではありません。だからセーフだよねというわけにも当然いかず、待機行動違反に。

というか一度スタートラインと正対した後に艇を大きく動かすのは、いわゆる回り直し(コースを取り直すためにもう一度ブイを大回りすること、必然的に外枠になる)以外やりません。なお艇先をスタートラインに向けた後に、再度スタートラインと反対方向に航走してはいけないというルールも定められています。まぁ航走というよりその場で旋回していたという方しっくりくるのですが、これも結局深インを避けるための行動に繋がってしまっているので、待機行動違反として言い逃れはできないかと。

賞典除外にはならなかったらしいのですが、どうやら派手に減点をくらったらしいです。みんなが大時計を見守る最中に艇をぐるぐる回転させちゃ、そりゃ違反とられますよね。

 

■待機行動の体勢で艇を回転させるなんてなみたいていのパワーじゃ云々……

話によるとどうもこの時の6号艇はエンストしていたのでは、という見方もあるらしいです。ただその真偽のほどは不明であり、謎の回転ムーブの意図は闇の中です。とはいえボートアクシデントを装って時間を稼ぐにしてもリスキー過ぎますし、悪意あっての行動ではないような気もしますが。

もしかしたら反則は5秒までならOKという感覚でぐるぐる回り、注意されたら両手を上げてとぼけるというベテランレスラーのようなテクニックが存在するのかもしれません。見方によっては全員覆面レスラーみたいなルックスしてますしね。

ルール無用の残虐ファイト、それがボートレース(違います)。

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岡井モノ

やとわれ編集長。だいたいわかってない。 twitter→@shopping_owl

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